理事長就任挨拶

日本核医学会理事長に就任して

遠藤理事長
遠 藤 啓 吾
有限責任中間法人日本核医学会 理事長
群馬大学大学院医学系研究科画像核医学分野教授

 

このたび日本核医学会理事長に就任いたしました.微力ですが会員の皆様と一緒に核医学の普及,発展に励みますのでよろしくお願いいたします.
理事長に就任早々,核医学検査のうち最も広く使われている 99mTc のカナダからの供給が停止,わが国のみならず世界中の核医学検査に影響を及ぼす事態になりました.その後まもなくして供給が再開され,幸い大事に至らずホッとしていますが,わが国の核医学の問題点のひとつが露呈されました.
PET が多くの病院に普及し,がんの診療に役立っています.社会的にも PET という言葉が市民権を得たように思われます.しかし PET 検査が増えた反面,骨,心臓などの SPECT 検査が減少気味です.包括医療( DPC という) が始まりましたが,核医学が多く行われている大病院,急性期病院が DPC 制度を採用していることが,その原因として大きいと思われます.核医学は患者にとって副作用のない安全な検査で,病変部の機能,血流などが分かるという,核医学のもつ優れた特徴をもっと理解していただかなければなりません.
遺伝子研究が進み,これからの研究テーマとして,遺伝子のもつ機能の解析,様々な病因の解明に,分子イメージングが有用だとして注目されています.ねずみなどの小動物を用いて,分子レベルの異常を画像化します.RI を用いる核医学が分子イメージングの臨床応用に最も適しています.SPECT, PET も人のみならず小動物でも行われるようになりました.
最近,嬉しいニュースもあります.
病気の治療の分野で保険収載されているのは,これまで放射性ヨード (131I) を用いるバセドウ病,甲状腺癌の治療だけでしたが,骨転移により生じた痛みの治療に 89Sr (メタストロン) が,悪性リンパ腫治療に 90Y 標識抗体( ゼヴァリン) が使われるようになります.
核医学の歴史は,放射性ヨードを使ったバセドウ病の治療から始まったものですし,それから数十年を経てやっと 131I に次ぐ新しい RI 治療薬を得たということかもしれません.会員の皆様と一緒に大事に育ててゆきたいと思っています.
5月には春季大会,10 月には核医学会学術総会が開催されます.近いうちに皆様とお会いできるのを楽しみにしています.

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